チ。―地球の運動について―　【完結：紹介＆レビュー】ネタバレ含む

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この漫画『チ。―地球の運動について―』は、１５世紀ごろのヨーロッパの話でまだ「天動説」が信じられていたころ、ある宗教的に異端とみなされていた「地動説」を完成させ、世に公表しようと命をかけた人たちの物語です。
信念を持って「地動説」を追いかけていく主人公たちの熱い想いとその言動に心動かされる大変面白い作品です。
以下、ネタバレ含みますのでご注意ください。

基本情報

タイトル	チ。―地球の運動について―
作者	魚豊（うおと）
出版社	小学館
掲載誌	ビックコミックスピリッツ
発表期間	2020年9月14日- 2022年4月18日
巻数	８巻

『チ。ー地球の運動についてー』 魚豊 | ビッグコミックBROS.NET（ビッグコミックブロス）｜小学館

魚豊「チ。ー地球の運動についてー」の作品詳細ページです。

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この作品のポイント

• いかに「天動説」から「地動説」に移行したのかのプロセスが面白い(ただし、地動説が迫害の対象という歴史的記録はないため、あくまでこの物語はフィクションと思われる)
• 大まかに４章に分かれており、次々に主人公が変わっていくという展開の速さと面白さ
• 「地動説」のために命をかける主人公たち
• それぞれの登場人物の名言
• この物語の悪役「ノヴァク」の残忍さと父性と実の娘を殺してしまう悲劇

この漫画の豆知識

• 作者の魚豊さんは作品発表当時２５歳
• 2021年には「マンガ大賞」第2位、2022年には「手塚治虫文化賞」マンガ大賞を受賞
• アニメ化決定
• 「チ」とは、作者によると＂大地のチ、血液のチ、知識のチ＂という3つの意味
• 最終巻に出てくるアルベルト・ブルゼフスキは実在の人物であり、地動説を唱えたコペルニクスはアルベルトの教え子

名言集

硬貨を捧げれば、 パンを得られる。
税を捧げれば、権利を得られる。
労働を捧げれば、報酬を得られる。
なら一体何を捧げれば、 この世の全てを知れる―？

チ。―地球の運動について―　１巻

あんな巨大な矢が、 一つの発想で、
こんなに合理的に、 動いてしまったら、
この説を、美しいと、 思ってしまうッ!!

チ。―地球の運動について―　１巻　ラファウ

この世は、最低と言うには 魅力的すぎる。

チ。―地球の運動について―　３巻　ヨレンタ

今ある規範を疑えないなら、
それも獣と大して変わらない。

チ。―地球の運動について―　５巻　オクジー

貴方とは違ったやり方で、
疑いながら進んで。 信じながら戻って。
美しさに、煌きに、 せまり詰めてみせます。

チ。―地球の運動について―　８巻　アルベルト