健康で文化的な最低限度の生活。
では2巻です!
「健康で文化的な最低限度の生活」を読んで頂きたい方
「健康で文化的な最低限度の生活」とは、日本国憲法第二十五条に表記されている文章の一部で、全文では1「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」 2「国は、すべて の生活部面について社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」 と規定されています。
つまり生活保護をテーマに扱った漫画ということです。
そして生活保護行政に関わる方や被保護者だけではなく、社会福祉従事者は必見の漫画です。
かなり生活保護行政の実態というか、ケースワーカーの日常業務や生活保護の実態がリアルに描かれています。
病院ソーシャルワーカーである私がみても、最近の若いケースワーカーが考えていそうだなと感じることと、この漫画に出てくる新人ケースワーカーが感じていることもかなり近い部分があります。
さらに社会福祉従事者のマインドとしても、弱い自分であったり、それを隠そうとする自分であったり、援助者としての自覚や自己覚知的なところもこの漫画で改めて気づかされることがあります。
また生活保護被保護者との関わり方の勉強にもなります。
漫画に出てくる被保護者は本当に現実にいる方ばかりです。
実際のケースをモデルにストーリーを作っているのではないかと思うほどです。
こういうケースの時にはこういう制度があるのか、こういう法律があるのか、こういう解決策があるのかと、実用的な点でも大変勉強になる漫画だと思います。
あとはなんかほっとけない主人公の義経さん!
彼女の成長過程も見逃せないポイントです。
ぜひ「健康で文化的な最低限度の生活」の世界を楽しんでもらいたいため、漫画紹介させて頂きます!
ネタバレありますので、未読の方は注意してください。
【電子書籍はこちら】 ⇒ 健康で文化的な最低限度の生活 2巻福祉事務所でケースワーカーとして働きはじめた新人公務員の義経えみる。生活に困窮している人々を支援することの難しさに悩みながらも、日々、[生活]の最前線で奮闘している。そんな折、就労支援に取り組む最中で、えみるが担当する阿久沢さんに多重債務が発覚!一方、同期の七条が担当する岩佐さんも、高い就労意欲とは裏腹に精神的に追い込まれ…対応に葛藤する新人ケースワーカー達。彼らにできることは何なのか?==2集では、容易にはいかない“就労支援”の実態と、騒がれている“不正受給”の、とある一面が描かれる。医者でもない。警察官でもない。けれど、[生活]を救える仕事がある!新人ケースワーカー達の奮闘劇!!
引用:小学館eコミックストア
目次
- 第8話 どうしろというの
- 第9話 WHY?
- 第10話 それぞれの
- 第11話 夏の休日
- 第12話 日下部欣也くん
- 第13話 不正受給?
- 第14話 63?78?
- 第15話 全額徴収
- 第16話 やり場なき怒り
- 第17話 彷徨う
感想
七条さん、ストーカー扱いにされてしまいましたね。
一生懸命、熱意ある対応が裏目に出た格好ですが、我々援助者は常にその危険性を考えておかなければならないと思っています。
こちらが話を聞いているつもりでも聞けていないということや、相談者の本意をくみ取れていないということはよくあることです。
まして心に病気がある方だとその難易度はさらに上がってしまうでしょう。
あと、義経さん、苦悩していますね。
ちゃんとした人間になりたい、ちゃんと仕事ができる人間になりたい。
新人ならでの悩み。
自分の過去を思い出します。
そんな中で不正受給事件で修羅場を経験するなんて、なんと大変な義経さん。
がんばれ!義経さん!
この巻の見どころ
- 熱意ある援助がストーカー
- なるべく金になる、法律にギリギリひっかからない限りなく黒に近いグレーの仕事
- ちゃんとした人間になりたいよ
- 市民感情を逆なでする最たるものが、不正受給
- 不正受給額は生活保護費総額の0.5%。
- 「雨降って地固まる」の支援
ゆずおりがみチェック!
生活保護費の不正受給。
この巻の見どころにも記載しましたが、生活保護にまつわることで、市民感情を逆なでする最たるものが、不正受給だそうです。
作中には2012年の不正受給額が190億5372万円となっています。
2019年を調べてみると129億6089万5千円とだいぶ減っていますね。
行政は2014年から不正受給に関する調査を強化した結果、不正防止の効果が徐々に広がってきたといわれています。
役所のケースワーカーも人員が少ない中、努力されていますね。
『健康で文化的な最低限度の生活』(けんこうでぶんかてきなさいていげんどのせいかつ)は、柏木ハルコによる日本の漫画。小学館『ビッグコミックスピリッツ』にて2014年18号から連載中。
新人ケースワーカーの目を通して生活保護のリアルに迫る青春群像劇。題名は日本国憲法第25条第1項の条文「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」から採られている。
第64回小学館漫画賞一般向け部門受賞(2018年)、第23回手塚治虫文化賞一般部門最終候補作品(2019年)。2021年3月時点で電子版も含めた単行本の累計発行部数は100万部を突破している[1]。
2018年7月より連続テレビドラマ化された[2]。テレビドラマ版の公式略称は「ケンカツ」。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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